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深夜のオフィス。山田誠一のデスクには、上司から「最新のAIエージェント周りをまとめといて」と投げられたリサーチ依頼と、後輩・鈴木から「これも来週の勉強会用にお願いします!」と追加されたテーマが山積みになっていた。論文、技術ブログ、GitHubのREADME、カンファレンスの発表資料——エナジードリンクを飲み干しながら格闘すること数時間。山田はキーボードに突っ伏したまま、寝落ちしてしまう。 翌朝。勉強会まであと45分。スクリーンに映し出されたのは、未完成どころか構成すら定まっていないスライドの残骸だった。「終わった……」と呟く山田の絶望が、オフィスに静かに満ちる。 その時。 「お困りのようですね、山田さん」 振り返ると、そこには高級スーツに身を包み、顔全体を覆う巨大な16:9スライド型バイザーを装着した謎の男が立っていた——パワポ作るマンである。 困惑する山田をよそに、パワポ作るマンは静かにPCへと指先を伸ばす。その瞬間、オフィス全体がデジタル空間へと変貌した。蛍光灯の白い光が青白いデータの光に変わり、デスクや壁が半透明のグリッドに溶けていく。 「Bedrock Agent Core Runtime 起動」「Strands Agentsスタンバイ」「Tavily APIによるWeb検索 実行開始」 低く、しかし確かな声でそう呟いた瞬間——GitHubリポジトリの奥から、arxivの最新論文から、海外カンファレンスのレポートから、必要な情報の断片が光の弾丸となって飛来し始めた。最新フレームワークの比較、各社の技術動向、コミュニティで議論されている課題。膨大なノイズの中から、パワポ作るマンは本質的な情報だけを「蒸留」し、それらが彼の目の前で美しいスライドの形へと自律的に組み上がっていく。 「情報は多ければ良いわけではありません。今この技術領域で押さえるべきポイントは3つです。この資料はその3点に絞り、各1スライドで構成します。合計3枚。説明時間は5分以内」 バイザーに映し出されるスライドのプレビューを見た山田は、思わず息を呑んだ。自分が一晩かけても辿り着けなかった「本質」が、そこに静かに、しかし力強く存在していた。 勉強会。参加者たちは配られた3枚のスライドを一瞥し——初めて、前のめりになった。「これは……分かりやすい。で、今一番注目すべきはどこ?」先輩エンジニアが驚く中、山田は静かに、しかし確かな声で答えた。パワポ作るマンから学んだ「早く、正しく、コンパクトに」を胸に刻みながら。 勉強会は成功した。 オフィスに戻った山田のデスクに、パワポ作るマンの姿はもうなかった。ただ、PCの画面には一行のメッセージだけが残されていた。 「情報の本質を見極めること——それは、AIだけの仕事ではありません」 山田は少し笑って、エナジードリンクの缶を静かにゴミ箱へ捨てた。

2025年、東京リージョン市。AWSサービスが擬人化され平和に暮らすこの世界で、真面目だが自信のない女子高生・Amazon Bedrockちゃんは、ある朝いつものようにドジを踏みながら登校していた。しかし、その日の放課後、玄関を蹴り破って「鬼経営者」が突然現れる。「うちでAIエージェントで事業やりたいんだけど、適当に宜しく!!!」という無茶振りとともに、「セキュリティは担保して」「納期は1週間」「使い捨てじゃダメ」といった理不尽な攻撃が次々と繰り出される。自分の機能では対応できないと悟ったBedrockちゃんがピンチに陥った時、転校生のAmazon Bedrock AgentCoreちゃんが「またせたな」と颯爽と現れ、高度な機能で鬼経営者を圧勝。しかし勝利後、AgentCoreちゃんの表情が一瞬曇る。「あの鬼経営者、何者だったの?」と尋ねるBedrockちゃんに、AgentCoreちゃんは何かを隠している様子。東京リージョン市の上空には不穏な雲が広がり、平和だった街に異変が起こり始めていることが示唆される。IT業界の「あるある」が実体化して襲ってくるこの異変の真相とは? Bedrockちゃんは成長し、隠された力を覚醒させることができるのか? 仲間たちとともに、東京リージョン市の平和を取り戻す戦いが始まる――。