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水燈

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紡ぎ人の魔術師 ―心を結ぶ呪文―
学園ファンタジー

紡ぎ人の魔術師 ―心を結ぶ呪文―

【導入】 春、王立学園都市アカデミアに研究区画奨学生として転入した司早百々は、日ノ本帝国魔術学舎高等部・高等魔法大系科魔術組に配属される。転入初日、女子寮の同室となった橘美緒の嵐のような歓迎を受け、翌日には教室の隣席に朝比奈蒼が座っていることを知る。百々はすぐに蒼の笑顔の奥に「揺らぎ」――心術で感知できる感情ノイズを察知するが、転入早々立ち入ることをためらい口をつぐむ。 【展開】 蒼は魔導具の新作開発に取り組みながら、学内の実習課題でも常にトップを維持していた。しかし百々の目には彼の魔力消費が異常に高いことが映っており、心術で感じ取れる「軋み」が日に日に増しているのがわかる。美緒は二人の間の空気を敏感に察知し、ああだこうだと盛り上がりながら百々に「もっと蒼くんと話しかけてみなよ」と背中を押し続ける。 ある夜、学舎の演習区画で蒼が一人で作業していたところ、過負荷状態の魔導具が暴走しかける。たまたま呪符の資材を取りに来ていた百々がその現場に居合わせ、即座に心術で蒼の魔力状態を安定させ、暴走を最小限に抑えた。事なきを得た後、蒼は「なんで俺の状態、わかったんだ」と問いかけ、百々は初めて自分の心術を彼に打ち明ける。 【クライマックス】 事件後、二人は放課後に言葉を交わすようになる。蒼は初めて「うまくいかないことがある」「もう限界かもしれない」と口にし、百々は「ちゃんと聞こえてます」と静かに返す。しかし学内では「心術は他者の精神に干渉する危険な魔法だ」という声が再燃し、百々の暴走阻止の行為が「無許可で他者に干渉した」として問題視されてしまう。百々は自分の魔法体系が未認定であることの壁に改めて直面し、孤立しそうになる。 そんな時、蒼が魔導具開発の技術を活かし、百々の心術の効果を物理的に可視化・記録できる装置を秘密裏に作り上げ、教師会議の場で「彼女の術は確かに存在し、確かに機能した」と証拠を提示する。普段は努力を見せない蒼が初めて、誰かのために全力で動いた瞬間だった。美緒も学舎の制度規則を完璧に調べ上げ「奨学生の試験魔術は暫定使用が認められている」という条文を突きつけ、百々を守るために声を上げる。 【結末】 教師会議の結果、百々の心術は「研究保護対象魔法体系」として暫定認定を受け、正式体系化へのステップが開かれる。蒼は「お前の魔法、俺が形にするのを手伝いたい」と申し出、百々は「約束してください。途中で投げ出さないって」と返す。蒼は「絶対」と笑って、初めて誰かに向けた本物の笑顔を見せた。美緒は寮の部屋でその話を聞いて大騒ぎしながら、でも夜に「よかったね、百々」とだけ、静かに言う。百々は窓の外の星を見ながら、幼い頃に自分に誓った言葉――「心術で誰かを救う魔術師になる」――が、ようやく動き始めたことを感じる。三人の物語は、ここからが本当の始まりだった。

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